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【肉離れ】陸上競技に励む高校生が練習中に発症した一例

肉離れは重症度によって治るまでの期間が大きく変わってきます。肉ばなれになってしまったら、どうしたら良いのでしょうか。原因や症状、治療方法などについての記事になります。肉離れを早く治すには、なによりも肉離れについて詳しく知ることです。

 

『当院の対応』

施術風景

肉離れイメージ

高校1年生 中距離ランナー 競技歴4年

[所見]中学時代と比べ、練習時間が長く、かつ練習量も多いため今回の肉離れ以外に、足関節捻挫、腰痛などの既往があり。ウエイトトレーニングも徐々に開始していることもあり、以前から足の疲労感が抜けない状態が続いていた。肉離れ局所に硬結、しこりあり。柔軟性の左右差が顕著にみられる。圧痛あり。

[施術]圧痛部を中心に鍼低周波療法を実施。可動域、痛みの閾値に変化あり。

[セルフケア]患部以外のストレッチを主に、腰下肢全体的な柔軟性向上に努めてもらう。練習内容の確認、クールダウンの徹底など、最低限行えることを今一度見直してもらう。

※運動部の学生さんとなると、痛みを我慢して競技を続ける場合もあります。少しの痛みでも、痛みが出た時点で、それはケガが表に出てきた状態、ということを理解してもらえるとセルフストレッチや体をケアする必要性に気づいてくれることがあります。なぜ肉離れになったのか?細かい部分まで知ろうとするとむずかしいので、簡単にかみ砕いてお伝えすることを意識しています。学生さんが初診で来られるときは、ほとんどが保護者同伴で来院されます。ですので、保護者への理解も含めて、説明を大事にしています。多くの方はスマホで検索して、今の状態はどの程度なのか、どんな治療が良いのかと調べてきてくれます。中には聞いたことのない理論なども出てくるのでこちらが勉強になることもあります。気になる点など、ご遠慮なく聞いて下さい。

 

『肉離れとは?』

ふくらはぎの痛み

肉離れとは、筋肉の一部が断裂した状態のことです。太ももの裏(ハムスト)やふくらはぎなどの筋肉が特に発症しやすく、肉離れのきっかけとなる筋肉の使い方をしたときに発症することが多いです。

『肉離れの原因』

ランニング風景

肉離れは、筋肉が急激に収縮するときに負担がかかり筋肉の繊維が対応できず、一部が断裂したり裂けたりすることで起こります。特にスポーツ中や肉体労働中に多発しますが、筋肉がほぐれていない状態であれば、日常生活でも起こり得ます。特に、冬場は気温が低下して体温も低下し、全身の血流量も低下します。準備運動不足のまま運動を開始すると急激な運動に見合った血流量が確保できず、肉離れが発生しやすくなります。また、冷えで足がつってしまい、そこから肉離れになるようなときもあります。

『肉離れの前兆』

肉離れイメージ

肉離れが起こる前兆として、筋肉が硬くなってこわばった感じがしたり、太ももに違和感を覚えたりするケースが多く見られます。受傷すると激痛が走り歩くこともできなくなります。

『肉離れの症状』

肉離れの主な症状は、筋断裂部位の痛みです。激痛で歩くのが困難になる場合もあります。また、断裂が起こっている場所に陥没がみられることもあります。肉離れの腫れが大きい場合、血行が悪くなることで患部が痺れるコンパートメント症候群になることがあります。

 

『肉離れの応急処置』

肉離れのテーピング

テーピング例

太ももの裏に肉離れが起きてしまった場合は、痛みを感じる箇所にアイシングを行い、圧迫を加えます。アイシングを止めるラップやバンドでアイシングと同時に圧迫をくわえるのがおすすめです。しかし、この圧迫が強すぎると血流を遮断する恐れがあるので、しびれや変色には注意が必要です。アイシングを行う姿勢は、受傷筋肉を張った状態(モモの裏なら膝を伸ばして)で行います。肉離れの初期対応の圧迫は、受傷直後から2日間程度行うことが推奨されています。圧迫を行うことで、内出血を防いだり、炎症の鎮静化、痛みの緩和にも効果が期待できます。

『肉離れの検査と治療法』

施術風景

治療例

肉離れの検査には、問診や触診、視診の他、超音波検査やMRI検査などの画像検査があります。画像検査によって、肉離れの程度や損傷している部分を確認し、重症度を判断する目安になります。ですので、肉離れを疑われたら、まずは整形外科へ受診をしてください。その後はリハビリや整骨院へ通う方が多いですが、鍼灸治療で肉離れの回復を促したり、痛みの緩和にも効果がみられる場合もありますので、病院のリハビリと併用して鍼灸を受ける方もいます。痛みの緩和や受傷部位の状態が良くなってきたら、筋の柔軟性を整えることや筋力トレーニングを実施し、肉離れの再発予防を行います。

『肉離れが治るまでの期間』

時の経過

肉離れが治る期間は、症状の重さにもよりますが、平均的に3週間から2か月程度です。重症の場合や、治療を適切に行わなかった場合はその限りではありません。また、これまでのスポーツ歴、筋肉量、栄養状態なども影響します。

 

『肉離れはなぜ再発するのか?』

鍼施術

肉離れはギックリ腰と同様に、再発しやすいと一般的にも有名です。体質にもよる部分が大きいのですが、外的環境をしっかりと整えること、またケガの仕組みをしっかりと理解することで、肉離れの再発するリスクは低くすることが出来ると考えています。肉離れ経験者の中には、もともとストレッチや準備体操を怠っていたり、コンディショニングの知識に疎いこともあります。そういう場合に多いのがYouTubeでの情報収集です。肉離れの治し方、肉離れのリハビリ、肉離れのテーピングなどと検索をしたことのある方は多いのではないでしょうか。一つの例として勉強するのは良いのですが、それが唯一の方法だとは思ってほしくないと考えています。体の使い方、その癖、柔軟性など一人一人異なるので、どういった治療やセルフケアが再発リスクを最小限に抑えることが出来るのか、その知識習得のためにも、治療院を利用することをおススメします。

 

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